2021年2月13日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番「ハープ」 ゲヴァントハウス四重奏団

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
ゲヴァントハウス四重奏団


https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300140
※NML(岡山県立図書館利用者アカウント用URL)
 Spotifyには一部楽曲しか収録されていないため、NMLのリンクのみ。

 この曲は交響曲第5番や第6番「田園」、あるいはピアノ協奏曲第5番「皇帝」が作曲された、いわゆる「傑作の森」の時期の真っただ中で、やはりこの曲も、この時期のベートーヴェン特有の強い意志と躍動感を感じさせる曲。後期の作品のような死をも感じさせるような内省的な面は少ない。

 ゲヴァントハウス管弦楽団の方は昔からの音を守っている印象が強いが、同楽団メンバーで構成されるこのカルテットは、この録音を聞くと現代的なアプローチに傾倒してきていて、隙がないアンサンブルを聴かせる。全体的に生命力を感じさせる演奏で、第3楽章のグイグイ進んでいく推進力はベートーヴェンならではのもの。よく来日している団体だけど、地方都市で室内楽の集客は難しいのでなかなか聴く機会がない。

2021年2月10日水曜日

ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番 ボロディンQ

ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番 
ボロディン四重奏団


※Spotify
 とても切れ味の鋭い、いい意味で無機的な、モノクロームの世界を表現したような演奏。
 「これがあのボロディン四重奏団なのか?」と驚いたが、僕がよく聴くチャイコフスキーの録音からはメンバーが入れ替わっているようで(創団70年を超えるというから、当たり前か)。創団時メンバーによる旧盤もあるようだ。とはいえ、ロシアの濃厚な弦楽器の響きは健在で、第2楽章は灰色の絵の具で塗りつぶすような濃厚さ。DSCHのモチーフに焦点を合わせており、頭にこびりついて離れなくなる。
 そうそう気軽には聴けない曲だが、プレイリストからは外せない。

2021年2月5日金曜日

フォーレ/ピアノ五重奏曲 エベーヌQ、ダルベルト

フォーレ ピアノ五重奏曲第1番
エベーヌ弦楽四重奏団
ミシェル・ダルベルト(Pf)

https://open.spotify.com/track/7yBJwoRzWsq3pwudhdqGg7?si=-3_5KqepReO0HO9JcwN3Yg
※Spotify 
 高校時代まで独墺系シンフォニーばかり聞いていた自分に、大学時代の友人に薦められたのがフォーレの室内楽。まず、このピアノ五重奏曲第1番を薦められた。
 こんな美しい世界があったのか!という驚き。フォーレを皮切りにドビュッシー・ラベルなど、フランス系の室内楽にはまった。
 メロディーも魅力的だけれど、やはり和声進行の美しさがたまらない。繊細な5本の音の線が絡み合いながら、描いていく世界は独墺系の楽曲には無い魅力。
 ミシェル・ダルベルトは生演奏で聞いたことがある。ダルベルトのピアノは良かったなあ。

2021年1月30日土曜日

ハイドン/交響曲全集vol.1(6番、17番、35番、96番) 飯森範親&日本センチュリー響

ハイドン/交響曲全集vol.1
交響曲第6番、第17番、第35番、第96番)
指揮:飯森範親
日本センチュリー交響楽団

※Spotify

 日本センチュリー交響楽団が2015年から続けている「ハイドン・マラソン」シリーズのライブ録音である。同楽団はかつては大阪府から補助金を受ける公立オーケストラだったが、現在は民間団体として経営しており、財政的には厳しい状況に置かれている。そんな中で10年以上の時間をかけてハイドンの全曲演奏会を続け、恐らく世界初となるDSD(ハイレゾ)録音のハイドン交響曲全集の完成を目指している。
 センチュリー響の録音や生演奏を聴くまではハイドンの交響曲はよく出来ているなあとは思いつつも、いかんせん曲数が多すぎて、どの曲が何番かの区別がついていなかったが、このシリーズのSACDがリリースされる度に購入してじっくり聴いていくと、これはまさに宝の山だと気づいた。
 ストリーミングは一部しか登録しない方針のEXTONレーベルには珍しく、SpotifyやNMLで全曲の聴くことができる。
 記念すべき最初の収録曲は、初期の作品の傑作:第6番「朝」だ。ハイドン29歳頃(エステルハージ家の宮廷楽長に就任直後)の作品と言われており、すでに作曲家・音楽家としてのキャリアは充分だったろう。そのため、この6番は合奏協奏曲の形式を残しつつも、交響曲としての聴き応えという観点では、楽曲の完成度がすでに非常に高い。
 モーツァルトの交響曲は、(私の聴き込みが甘いのかも知れないが)じっくりと鑑賞して楽しくなるのは28番以降で、27番より前の交響曲はなかなか食指が伸びないのだが、ハイドンの交響曲は作曲技法が確立されてからの作品がほとんどなので、宝の山なのだ。

 96番「奇蹟」も聴きもの。飯森の指揮は、アクセントやクレッシェンドは鋭いが、全体的には絶妙のバランス感覚で、徹底的に心地よいサウンドを目指している。木管のソロが絶品で、弦楽器を中心にしたピュアトーンが心地よい気品あふれる「センチュリー・サウンド」を楽しめる。

2021年1月24日日曜日

ブルックナー/交響曲第7番(ハース版) 大植英次指揮 大阪フィル

 ブルックナー/交響曲第7番(ハース版)

指揮:大植英次 大阪フィルハーモニー交響楽団 

 2006年の演奏のライブ録音。SACDで出ているが、SpotifyやNMLでは聴くことが出来ない(fontecは参加していない)。

 今の大フィルの常任指揮者の尾高忠明がブルックナー演奏で一時代を築きつつあり、この大植とのコンビの録音が埋もれつつあるが、いや、これはどこまでも美しい演奏。現実世界から浮遊して、神話の世界へと迷い込でいくような美しさ。

 第4楽章では、天に召されたようなビジョン(幻視)が見えるよう。朝比奈時代に培われた艶のある弦の音を一層磨き上げて、大植の特徴でもある、徹底的に磨き抜かれた「美」を追求している。一方でマーラーやR.シュトラウスの指揮で見せるダイナミクスの振幅の大きさやアゴーギグの変化は用いず、あくまで正攻法。 朝比奈時代に比べるとオーケストラのアンサンブルの精度が格段に上がっている一方で、大フィルの特徴である、弦楽器が主導する息の長い濃厚なアンサンブルが聴ける

 もっと聴かれて良い演奏。

2021年1月20日水曜日

ベルリオーズ/幻想交響曲 大植英次指揮 大阪フィル 

ベルリオーズ/幻想交響曲
指揮:大植英次指 大阪フィルハーモニー交響楽団 2003年9月定期演奏会


 YOUTUBEを徘徊していたら、この動画に釘付けになった。大植英次が大阪フィル音楽監督に就任して2回めの定期演奏会。音を聴いて驚いたのは、まだまだ朝比奈時代の音が色濃く残っていること。第4楽章〜第5楽章のマッシブな音は、往年の大フィルの音だ。
 一方で、大植英次の美的センスに磨かれたピュアな音がそこかしこで感じられる。僕は2009年2月の定期演奏会で幻想交響曲を聴いているが、その時よりもこの動画のほうがオーソドックスな解釈。
 関西地区のNHKで放送されたものらしく、大植さんの解説も見られる。

2021年1月15日金曜日

ブラームス/交響曲全集 スウィトナー&ベルリン・シュターツカペレ

 ブラームス/交響曲全集

オトマール・スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ

 スウィトナーの家具職人のような丁寧な作りこみと仕上げ、そして何よりオケの独特の響きにすっかり魅了される。このシュターツカペレ・ベルリンは、木管・金管は不足無いけれど、同じ旧東独の歌劇場オケのドレスデン・シュターツカペレに比べると、弦については一段落ちる感じはする。でも、なかなか他のオケの演奏では聴けない、独特の味がある。特に2,3番が素晴らしすぎる。最近のピリオド奏法で、この味わい深さ、豊穣な音が出せるのだろうか。東ベルリン・イエスキリスト教会での録音で、音もいい。

2021年1月9日土曜日

Small gifts -Christmas and winter songs- 森野美咲&木口優人

Small gifts -Christmas and winter songs- 
ソプラノ:森野美咲
ピアノ:木口優人

※Spotify
※Youtube

 再度の緊急事態宣言の発令、そしてアメリカでのまさかの時大統領に先導された「議会占拠暴動」・・・
 私の人生の中でも、これほど異様な冬は無い。世の中全体が興奮状態にあって、疲れてしまっている。
 そんなときに届いた「小さな贈り物」。森野さんの優しくも力強い歌。センス抜群のアレンジで奏でられる美しいピアノ。岡山出身のお二人が奏でる心があたたまる歌。2020〜21年の冬は、こういう音楽にも巡り会えた冬だった、と記憶しておきたい。
 それにしても森野さんのスザンナを聴いたのは、ちょうど2年前のニュー・イヤー・コンサートだったのか。再び森野さんの舞台を見る日まで頑張ろう・

2021年1月5日火曜日

マーラー/交響曲第9番 バーンスタイン&ベルリン・フィル

マーラー 交響曲第9番ニ長調
レナード・バーンスタイン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1971年 ベルリン・フィルハーモニー・ライヴ
https://open.spotify.com/album/4DYOkqD6bd45W0l3Bt1dOl?si=amFcqh66RZSlmaBtbvxIBQ

 このオケが、指揮者と共にホンキを出したら想像を絶するような演奏になる、ということを実感させられる。散歩や家事の時間に軽く「ながら」聴きできるような演奏ではないが、プレイリストには絶対必要。
 この曲は、ハイドン、モーツァルトから始まった、独墺系交響楽の最終到達点。名曲、などという陳腐な単語で持って表現するのは忍びない、クラシック交響楽最高の財産。
 第1楽章の宇宙の誕生のような壮大な世界。第2楽章の支離滅裂の狂気、第3楽章の疾風怒濤、そして聴き手を臨死体験のような世界に連れて行く最終楽章。これを超える演奏は未来永劫出ないだろうな。

2020年12月31日木曜日

ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」 ウルバンスキ&トロンハイム交響楽団

ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 トロンハイム交響楽団

 このプレイリストを開始した頃は、1週間に2エントリーを目標にしていたが、5日ごとのペースに落ち着いてきた。これが今年最後のエントリーになる。
 最近はクシシュトフ・ウルバンスキの録音や動画を頻繁に聴いている。彼は大変な才能。まだ30代前半で、この動画が撮影された頃はまだ20代だったろうと思う。
 トロンハイム交響楽団は、決してメジャーなオーケストラではないが、ウルバンスキの才能に惚れ込んでいるのがよく分かるし、ウルバンスキも魔法をかけたようにオーケストラから様々な表情を引き出している。
 この人の指揮は見ていて本当に面白いし、美しい。彼と同時代に生きて、彼の音楽が聴けるのは幸福だ、とさえ思う。
 演奏後にキャーという黄色い声援が飛ぶのもクラシックでは珍しい(笑)

2020年12月25日金曜日

佐藤晴真 The Senses 〜ブラームス作品集〜

佐藤晴真 The Senses 〜ブラームス作品集〜

 10月にTHE MOSTのコンサートで、初めて佐藤晴真さんの生演奏を聴き、言葉で表現しようのない暖かくて美しい演奏を聴いて、「こんな音がチェロから出るんだ。」とビックリした。
 まさに、「一目惚れ」ならぬ『一聴惚れ』である。

※写真はCDのジャケット

The Senses ブラームス作品集
チェロ:佐藤晴真 ピアノ:大伏啓太

ブラームス/チェロ・ソナタ第2番
 〃 /メロディーが導くように
 〃 /森に覆われた山の上から
 〃 /死、それは涼しい夜
 〃 /子守唄
 〃 /チェロ・ソナタ第1番

https://open.spotify.com/album/6jzkU53ekMACSGDqIO8eov?si=YW9jCe9PSVGKQYcoH9GGTg
※Spotifyへのリンク

 私はコンサート前には出来るだけ予習(楽曲やソリストの音源をあらかじめ)するタイプで、もし、彼がTHE MOSTのコンサートの前に音源を出していたら、予習していただろう。しかし、佐藤さんの演奏を「予習」することなく、しかも、コロナ禍で生演奏から8ヶ月も遠ざかって聴いたものだから、彼のこの美音・麗音を聴いた瞬間の衝撃は忘れられないものになったと思う。

 コロナ禍の影響でレコーディングも延期になり、半年遅れで発売されたようだ。しかし、ライナーノートによると、そんなハプニングはレコーディングに好影響を及ぼしたらしく、活動自粛期間中を挟んだ後の収録では佐藤さんとピアノの大伏さんのコンビネーションが熟成し、コロナ禍以前よりも手応えのある演奏が録れたようだ。

 佐藤さんは、ドイツ音楽の正統的な演奏家の登竜門とされる、ミュンヘン国際コンクールに日本人で初めて優勝。もちろん技術的にも申し分ないのだけれど、若くて圧倒的才能を持つ『俊英』にありがちな尖ったところがなく、風格のある落ち着いた演奏で、奏でる音からは、美しさ・麗しさ・気品にあふれている。

 低音が重厚なのに暖かい「声色」でよく歌うのだ。例年よりも寒いこの冬に、この演奏を聴いていると、地面に暖かさが拡がっていき、聴き手の足元からその暖かさが染み渡ってくるような感覚になる。

 2曲のチェロ・ソナタの演奏も絶品だが、このアルバムの聞き所は、ブラームスの4つの歌曲のチェロ編曲版。チェロが持つ人間の声のような暖かさと、佐藤さんの奏でる歌を存分に堪能できる。

2020年12月19日土曜日

ベートーヴェン/交響曲第7番 スクロヴァチェフスキ&読響

ベートーヴェン/交響曲第7番

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮 読売日本交響楽団

 ベートーヴェンの交響曲第7番にドはまりしている昨今、5日前のズヴェーデン&ニューヨーク・フィルの感想エントリーで『Spotifyでなるべく演奏者の情報を見ないように聴いていくと「おっ!これだ!」という演奏に2つ出会った』と書いたのだが、もう一つの演奏がこのスクロヴァチェフスキ&読響。

 ジャケットにスクロヴァチェフスキの顔写真があるから、さすがに指揮者は判って聴いたものの、あとでオーケストラを確認して読響と知ったときは、「やっぱ日本のオーケストラも凄い」と嬉しくなった。

 非常に緻密な演奏で、一つのフレーズ・音符も疎かにせず、各パート間が絶妙な連携を見せ、曲の構造がよく分かる演奏になっている。ドイツのオーケストラだと250年の歴史の「暗黙知」の蓄積があって、それが絶対的ともいえる演奏表現上の強みになるのだけれど、ミスターSが、この読響という高性能オーケストラの性能を存分に生かして、徹底的に洗い直した演奏は、日本のオーケストラの強みを生かしたものかも知れない。

 この音源に関する世評はなかなか探し当てられなくて、ネットを徘徊してようやく見つけた、と思ったら、ずっとブログを購読していたmokotomochi58さんの記事だった。

 もっと注目されて良い音源だと思う。

2020年12月15日火曜日

ベートーヴェン/交響曲第7番 ズヴェーデン&ニューヨーク・フィル

 ベートーヴェン/交響曲第7番

ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック

https://open.spotify.com/album/2Ea0P4zvAU34ysALxdDEQW?si=s2r0mM8jSvmKjSMCgI0W0w
※Spotify

 先週の川瀬賢太郎&岡山フィルのベートーヴェン7番を聴いて、改めてこの曲の面白さに開眼。緻密に複雑なパズルを組み上げていくような演奏が聴きたくて、この曲の第3楽章をSpotifyでとっかえひっかえ聴いていた。いわゆる名盤とされる演奏には、なかなかフィットするものが見つからず、なるべく指揮者やオーケストラの情報を見ずに直感で聴いていくと、「おっ!これだ!」という演奏に2つ出会った。
 そのうちの一つが、このズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルのライヴ録音。第1楽章からじっくり聴いていくと、これはなかなかの演奏だ。この曲の構造の緻密さをこれほど深くえぐり出した演奏はなかなか無いのではないか。
 ズヴェーデンの録音は、このブログでもすでにブルックナーの交響曲全集を取り上げているが、今、かなり好きな指揮者になってきている。 

2020年12月10日木曜日

シューマン/交響曲全集 サヴァリッシュ&ドレスデン・シュターツカペレ

 シューマン 交響曲全集

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ


https://open.spotify.com/track/5sOFwgxzI5UFy37nbLUmgz?si=GExmPHCpQa2_uQF5-Wvb2Q
※spotify

 シューマンの交響曲は聴けば聴くほど味わい深い。この演奏とは古くからの付き合いだが、自分の中で色褪せることはない。特に、1番・2番は古今の録音の中でも最上の演奏だと思う。たぶん何十回を超えて何百回と聴いているのにまったく飽きない。

 どの曲も、弦の鋭い入りと、アクセントを強めにとって、非常にきびきびした演奏になっている。ティンパニも木のマレットを使っていると思われ、色々工夫も見られるが、何よりも響きの美しさに魅せられる。奏法の豊穣な響きを保ちながら、ぎっしりと旨みの凝縮された爽やかな演奏が聴ける。自分にとって一生の愛聴盤になっている。

 そして何よりもSKDの素晴らしい響き、エネルギーの強さだ。SKDのこの漲るエネルギーは、自ら作り出したものではなくて、私たちが住むこの世界に元々存在するものを、上手く集めてきて音楽に変換して出している、そんな自然な感じがある。

2020年12月5日土曜日

ドビュッシー/ピアノ作品集 田部京子

ドビュッシー/ピアノ作品集 田部京子

 大学時代からの数少ない盤友から「お前、ショパンあれだけ苦手やのに、ドビュッシーは大好物なんやな、合点がいかんわ」と言われたことがある。ドビュッシーが苦手な人は多いらしい。


https://open.spotify.com/track/1srOj2TZ9VWRUgs75jDo9v?si=GdWmE8DaTQiNNos7kOUB0Q
※Spotify

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/album/CHAN9912

※NML(岡山県立図書館利用者IDからログインするURL】

 ピアノ曲をあまり聴かない僕がドビュッシーだけはよく聴くようになったのは、この田部さんの演奏との出会いがあったことが大きい。仕事がめちゃくちゃ忙しかった20代後半。土曜日もほとんど休日出勤して日曜日は昼まで泥のように眠り、ようやく起き上がったあとにボーッとしながらこのアルバムを聴いていた。あの時に3年間だけ住んでいたアパートの部屋から見えるサルスベリの木の風景が目に浮かぶ。

 音を「紡ぐ」というのはこういうことか、と思うような繊細で丁寧な音楽。景色が揺らぐような幻想的な世界を、芯のしっかりとした音で紡いでいく。