2021年4月28日水曜日

モーツァルト/オーボエ四重奏曲 シェレンベルガーほか

 モーツァルト/オーボエ四重奏曲 K.370

オーボエ:ハンスイェルク・シェレンベルガー

ヴァイオリン:ダニエル・ギグルベルガー

ヴィオラ:ハリオルフ・シュリヒティヒ

チェロ:ウェン=シン・ヤン



https://open.spotify.com/track/45CvGFnrISJ4uZnjxU2AoP?si=rKfZq_zrTLClCeCGNXXpXg&utm_source=copy-link

※Spotify

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/3487201

※NML(岡山県立図書館利用者登録者向けURL)

 既に当ブログではベルリン・フィル時代のシェレンベルガーの若い時の録音を取り上げているが、その40年前の録音がカラフルで押し出しの強い演奏なのに対し、この録音のなんと滋味あふれるものであることか。

 この曲も、カップリングのハイドンも生演奏で聴いているが、その時は美しくも芳醇なオーボエの音に圧倒されたが、40年前のシェレンベルガー若かりし時の録音と聴き比べると、ピッチをひくく取っており、シェレンベルガー特有のの華のあるオーボエの音を保ちつつ。積み重ねた年輪を感じさせるようなじわじわとした暖かさが感じられる。

 自分は、この演奏を生で聴いてんよなあ・・・という幸せにも包まれる録音。

2021年4月17日土曜日

マーラー/交響曲第7番 ショルティ&シカゴ響

 マーラー/交響曲第7番「夜の歌」

サー・ゲオルグ・ショルティ指揮

シカゴ交響楽団

https://open.spotify.com/track/5RNiRZKjSpZR21QgbO397c?si=ToMcajHdQsCGCQjhnp8AcQ&utm_source=copy-link
※spotifyへのリンク

 リマスター版というのは、(私の耳が良くないのだろうが)だいたい聴いてみると「うーん、どこが良くなったのかわからん!」というのが多いが、このショルティ&シカゴ響のリマスターはハッキリと違いが解る。低音と高音のバランスが自然になっていて、実際のオーケストラの音に近くなっている。

 こうして改めて聴くと、壮絶とも言える鋼のようなアンサンブルに圧倒される。最終楽章では地球が震撼するような鳴動に支配される。その一方でナハトムジークなどでは弦は艷やかで管楽器も朗々と鳴り響く。

 現代ではこういったサウンドが失われた、とは良く言われることで、指揮者もオーケストラ奏者も移動が激しく、恐らくシカゴ交響楽団もこのショルティの時代に比べて、様々な指揮者が客演しているだろうし、音楽監督のオーケストラへの影響力も相対的に小さくならざるを得ない。オーケストラ奏者も優秀な奏者ほどオケを渡り歩くので、一種の「ローカル奏法(?)」での音楽づくりは現代では不可能だ。それをやりたければ、クルレンティスやロトのように、自分でオーケストラを作るしかない。

2021年4月9日金曜日

フランク ヴァイオリン・ソナタ デュメイ&ピリス

フランク/ヴァイオリン・ソナタ

ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ

ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

※Spotify 
 「珠玉の名曲」という形容がこの曲ほど似合う曲はない。魅力的なメロディーが惜しげもなく投入され、構成は堅牢。クラシック音楽を聴き始めた初期の頃から聴き続けている曲だが、まったく飽きることがない。
 ピリスもデュメイも実演に接する機会に恵まれた。とりわけデュメイはこのフランクのソナタを聴くことが出来た(伴奏はバネッサ・ワーグナー)。あの時の輝きに満ちた音の美しさ、第2楽章での息もできぬほどの迫力は未だに耳から離れない。
 この録音も、どっしりとした中にロマンに溢れた演奏。あまりの凝縮された世界にどんどん引き込まれていく。伴奏のピリスも神業のような繊細さと大胆さで、このヴァイオリンの巨人とのやり取りを濃密に展開していく。録音も素晴らしい。一生聴いていくであろう名演。カップリングのドビュッシー・ラヴェルも素晴らしい。

2021年4月2日金曜日

ドビュッシー・ラヴェル・ディテュユー/弦楽四重奏曲 アルカントQ

ドビュッシー/弦楽四重奏曲

ディテュユー/弦楽四重奏曲『夜はかくのごとし』

ラヴェル/弦楽四重奏曲

アルカント・カルテット



https://open.spotify.com/track/1nfSkmdqtEYJxGhceog3qZ?si=RGQcNDkaRzuvSnEJkdpQiA
※Spotify

 我が家に4K対応の40型のテレビが来て錦織圭の出ているテニスの試合をみたとき、テニスボールがハッキリと追えるクリアな映像に驚いた。そして、それまで不満なく見ていた通常のテレビを見ると、ボールなどの動くものがぼやけていて「もう、これには戻れないな」と感じたものだ。
 弦楽四重奏や室内楽の世界も、演奏上の進化が著しくて、その代表的な存在がアルカントQだと思う。このフランスの弦楽四重奏曲をアルカントQで聴いてしまうと、アルカント以前のどの名盤と言われる演奏も、明晰さやアンサンブルの緊密さ、音の濃密さ、どれをとっても物足りなくなってしまう。

 一度、このカルテットを生演奏で聴いてみたいものだ。