2021年2月27日土曜日

ブルックナー/交響曲第3番 ズヴェーデン&オランダ放送フィル

ブルックナー/交響曲第3番

ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮

オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団


https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/6545927

※リンク先は岡山県立図書館利用者としてログインした場合のURL。

※Spotifyへのリンク

 先週紹介した第1番と同じく、この曲の演奏も第3楽章のスケルツォが聴きどころで、小気味の良いテンポで、弦楽器と管楽器がバランス良く爽快に鳴っている。弦がシンコペーションで下降音階を奏でる中から転調した金管のオルガンサウンドが聞こえる部分は何度聴いても鳥肌が立つ。
 第1楽章や第2楽章は少しゆっくり目のテンポで、ここでも弦楽器が爽やかにかつ濃厚に鳴っている。
 オランダ放送フィルの音は、垢抜けた音色を持つロイヤル・コンセルトヘボウ管に比べると少しくすんだ感じがあるが、それがブルックナーには丁度よい。何度も何度も繰り返し聴きたい演奏。

2021年2月20日土曜日

ブルックナー/交響曲第1番 ズヴェーデン&オランダ放送フィル

ブルックナー/交響曲第1番

ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮

オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

※リンク先は岡山県立図書館利用者としてログインした場合のURL。

※Spotifyへのリンク

 ズヴェーデン&オランダ放送フィルのブルックナーの全集については、すでにこのブログで取り上げているが、やはり曲ごとに整理しないとプレイリストとして使いづらいし、それぞれの曲についてのコメントも残しておきたい。
 ということで、今回は1番。
 RCOのコンサートマスターから指揮者に転向したズヴェーデンだけあって、弦5部がぐいぐい牽引するタイプのブルックナー。まさにこういうブルックナーを待っていた!という演奏。録音も抜群に良い。
 オランダ放送フィルも力感のあるアンサンブルを聴かせてくれ、特に第3楽章が「パッ、パッ、パッパッパッパッパッパッパッ!」と、破裂音のように聞こえるほど一糸乱れぬアンサンブル。この曲がこんなに聴きごたえのある曲だったんだ、と再発見した演奏。

2021年2月13日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番「ハープ」 ゲヴァントハウス四重奏団

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番「ハープ」
ゲヴァントハウス四重奏団


https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300140
※NML(岡山県立図書館利用者アカウント用URL)
 Spotifyには一部楽曲しか収録されていないため、NMLのリンクのみ。

 この曲は交響曲第5番や第6番「田園」、あるいはピアノ協奏曲第5番「皇帝」が作曲された、いわゆる「傑作の森」の時期の真っただ中で、やはりこの曲も、この時期のベートーヴェン特有の強い意志と躍動感を感じさせる曲。後期の作品のような死をも感じさせるような内省的な面は少ない。

 ゲヴァントハウス管弦楽団の方は昔からの音を守っている印象が強いが、同楽団メンバーで構成されるこのカルテットは、この録音を聞くと現代的なアプローチに傾倒してきていて、隙がないアンサンブルを聴かせる。全体的に生命力を感じさせる演奏で、第3楽章のグイグイ進んでいく推進力はベートーヴェンならではのもの。よく来日している団体だけど、地方都市で室内楽の集客は難しいのでなかなか聴く機会がない。

2021年2月10日水曜日

ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番 ボロディンQ

ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番 
ボロディン四重奏団


※Spotify
 とても切れ味の鋭い、いい意味で無機的な、モノクロームの世界を表現したような演奏。
 「これがあのボロディン四重奏団なのか?」と驚いたが、僕がよく聴くチャイコフスキーの録音からはメンバーが入れ替わっているようで(創団70年を超えるというから、当たり前か)。創団時メンバーによる旧盤もあるようだ。とはいえ、ロシアの濃厚な弦楽器の響きは健在で、第2楽章は灰色の絵の具で塗りつぶすような濃厚さ。DSCHのモチーフに焦点を合わせており、頭にこびりついて離れなくなる。
 そうそう気軽には聴けない曲だが、プレイリストからは外せない。

2021年2月5日金曜日

フォーレ/ピアノ五重奏曲 エベーヌQ、ダルベルト

フォーレ ピアノ五重奏曲第1番
エベーヌ弦楽四重奏団
ミシェル・ダルベルト(Pf)

https://open.spotify.com/track/7yBJwoRzWsq3pwudhdqGg7?si=-3_5KqepReO0HO9JcwN3Yg
※Spotify 
 高校時代まで独墺系シンフォニーばかり聞いていた自分に、大学時代の友人に薦められたのがフォーレの室内楽。まず、このピアノ五重奏曲第1番を薦められた。
 こんな美しい世界があったのか!という驚き。フォーレを皮切りにドビュッシー・ラベルなど、フランス系の室内楽にはまった。
 メロディーも魅力的だけれど、やはり和声進行の美しさがたまらない。繊細な5本の音の線が絡み合いながら、描いていく世界は独墺系の楽曲には無い魅力。
 ミシェル・ダルベルトは生演奏で聞いたことがある。ダルベルトのピアノは良かったなあ。