2021年12月24日金曜日

ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」 ウルバンスキ&NDRエルプ・フィル

ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界より」
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
NDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団

カタログNo:ALPHA269
2016年6月 ハンブルク、ライスハレでの録音

※Spotify

 Spotifyの私の年間再生ランキングで一位になった。耳にタコが出来るほど聴いてきた曲を、何度も何度も聴くようになるほど新鮮に、かつ説得力を持って聴かせる実力は凄いと思う。

 ウルバンスキの特徴は、その独特のサウンドのテクスチャー・クオリティだと思う。ここまで純化できるかと思うほどのピュアなサウンドを聴かせたかと思ったら、眩いばかりに黄金の輝きのような迫力あるサウンド、そして次の瞬間にはシルクのような柔らかく心地よいサウンド。それらが曲想全体の中で見事に調和している。
例えば、第4楽章の第2主題が登場する場面


 質実剛健なサウンドイメージを持っていた、このオーケストラが黄金のように輝かしく、シルクのように柔らかい。何よりもこれほど色気を持ったサウンドを鳴らすことに驚かされる。聴いていて本当に気持ちいい。この後は音が潰れるんじゃないかと思うぐらいの迫力で次々に襲い掛かってくる。いやあ、これは実演で聴きたい。

2021年12月18日土曜日

マーラー/交響曲第3番 MTT&サンフランシスコ響

マーラー/交響曲第3番
指揮:マイケル・ティルソン・トーマス
サンフランシスコ交響楽団
ソプラノ:ミシェル・デ・ヤング
合唱:サンフランシスコ交響合唱団
   パシフィック少年合唱団
   サンフランシスコ少女合唱団
カタログ番号:SFS0045
2002年 デイヴィス・シンフォニーホール(サンフランシスコ)でのライブ録音

https://open.spotify.com/album/33H1nrf6Xn9D4DRDSjUGr1?si=t2aUQBkSRbOxHYNU3uHmEQ&utm_source=copy-link&dl_branch=1
※Spotify

 マイケル・ティルソン・トーマスのマーラーは、緻密で柔らかい。トゥッティーでは確かに金管の迫力などは凄まじいものがあるのだが、大音量で圧倒したりすることはせず、各楽器の声を明朗に響かせながら、音のピークを持っていく感じ。
 弱音部のディテールは筆のタッチで微細な部分を書きわけるような感じ、まさに新世紀のマーラー演奏という感じがする。MTTは独特のセンスと美的感覚を持っている指揮者だと思う。
 ラトル&BPO7やヤンソンスとRCOのマーラーも、カラフルなマーラーだが、このMTTのマーラーは21世紀のマーラー演奏の最先端に位置づけられるのではないだろうか?一方で、20世紀のマーラー演奏の、あの世紀末のウィーンの狂気や鬱屈した雰囲気は、ほとんど感じられる事は無い。その点では好みが分かれるかも知れない。

2021年12月4日土曜日

ストラヴィンスキー/ディベルティメント シャイー&ロンドン・シンフォニエッタ

ストラヴィンスキー/ディベルティメント(バレエ音楽「妖精の口づけ」による交響組曲)
指揮:リッカルド・シャイー
ロンドン・シンフォニエッタ


https://open.spotify.com/track/2yfJJXXqRbhS3OdbERzwAv?si=WbihOOqjSTiruubfSRES3Q&utm_source=copy-link
※spotify

1980年 ロンドンでのセッション録音

 この曲、秋山和慶が大フィルの定期でも採り上げたことがあるはず。なんで覚えているかというと、そのコンサートに行く予定があって「予習」をしていたから(結局聞きに行けなかった)。
 先月のウィーン・フィルで聴いたのがきっかけでマイブーム(死語)が来ている。ウィーン・フィルのドラマティックで夢心地のようなサウンドとはある意味対極の、現代音楽専門オーケストラであるロンドン・シンフォニエッタの超高性能アンサンブルには全く隙がない。各声部を明朗に歌わせつつ、スッキリしたサウンドに仕上げるシャイーの名人芸も光る。