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2022年4月2日土曜日

ブラームス/交響曲第1番 ハイティンク&RCO

ブラームス/交響曲第1番 ハイティンク&RCO


https://open.spotify.com/album/5BlDbFeQppfg4pgMXIEYEw?si=XXouDWDfThaRJ6Wld7nRIg&utm_source=copy-link&dl_branch=1
※Spotify

カタログ番号:4808286(ハイティンク・コレクターズBOXの番号)
1972年12月 アムステルダム・コンセルトヘボウでの録音

 まずもって、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の音が美しい。まさに『ビロードの弦・黄金の管』。この音を聴くだけでも幸せになれる。
 ハイティンクのタクトは、(心から尊崇の念を込めて)『中庸の王道』を行く演奏だ。第2楽章〜第3楽章にかけての美しさはもちろんのこと、肩を怒らせるかのような演奏が多いこの曲を、第1楽章や第4楽章をこれほどまで細部まで丁寧に、そして溜めやじらしを使わず、端正なフォルムにまとめ上げた演奏は比類がない。
 やれ、書き上げるまでに20年を要した、はたまた、この曲は第九に続く、第10番の交響曲だ、などという鼻息荒いエピソードや、それにまとわりつく先入観はすべて削ぎ落として、ブラームスの音楽の美しさ・本質を描いているのではないか?それゆえに、この曲のオーケストレーションの見事さを、克明に、時にはグロテスクなまでに描き出している。だからこそ王道と思う。
 
 録音も言うことなし。

2022年3月5日土曜日

ブラームス/交響曲第4番 ヴァント指揮 北ドイツ放送響

ブラームス/交響曲第4番ホ短調
指揮:ギュンター・ヴァント
※Spotify

1996年〜97年録音
カタログ番号:09026633482 から

 私の尊敬する、ある演奏家で指揮者の方が、雑誌のインタビューで、指揮者として反面教師にしているのはギュンター・ヴァントだと答えている。ヴァントのタクトの元で演奏したさいにヴァントの猜疑心から来る執拗な要求は、オーケストラを不安にさせ、こういうやり方をしてはいけないと肝に命じたそうだ。

 ただ、オーケストラに対する猜疑心の強さは完璧主義の裏返しだっただろう。徹底的に磨き抜かれ、統率されたボウイングによって表現される峻厳な弦楽器の音色は、ヴァントと北ドイツ放送響のコンビでしか聴けないものがある。

 ブラームスの全集の中から1枚選べと言われれば、この4番になると思う。派手な演出や情感に訴えかける仕掛けや飛び道具は一切なし。エンターテイメント性は皆無で、正面突破の演奏。しかし、その音の作り込みの見事さ(特に低音部がスゴイ)は驚嘆するしか無い。圧巻は第2楽章、感傷に浸ろうというこちらの甘い考えをうち砕いてくれる。特に7分40秒以降の
弦楽の重厚な調べ、聞き終わるとロマンチックに浸るどころか、何か生きる活力をもらうような、そんな演奏。

2022年1月2日日曜日

ブラームス/交響曲第1番 秋山和慶&東響

ブラームス/交響曲第1番ハ短調

指揮:秋山和慶

東京交響楽団












https://open.spotify.com/album/0B0CCk1gRYpeRry0vmNhnq?si=Lq-ktc00TSiUxHzceNmCNA&utm_source=copy-link&dl_branch=1

※Spotify

 この曲、こんなに美しい曲だったんだ…。音を丹精込めて紡ぎ、ロマン溢れる美しいブラームス。特に第2楽章、第3楽章の秋山の音色への徹底的なこだわり、それに対して東響が筆舌に尽くしがたい美しくブリリアントな音色で応える。N響を振ったとしてもこの音は出てこないだろう。これほど夢のように美しい演奏を聴いたことがない。とりわけホルン、クラリネット、オーボエの音は日本のオーケストラの美質を蒸留したような清々しい音で、聴くものの心を洗ってくれる。第1、
 この演奏を聴いて秋山和慶は、新しい境地を開いていることを確信した。岡山フィルのミュージック・アドバイザー就任が本当に楽しみだ。

2021年10月9日土曜日

ブラームス/ピアノ協奏曲第1番 ブレンデル(Pf)&アバド&ベルリン・フィル

ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
ピアノ:アルフレート・ブレンデル
指揮クラウディオ・アバド
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


https://open.spotify.com/track/0EB2d6ftiLG4S4TIeAL2Lo?si=HB9jURfFQtylOlNIoSfJdA&utm_source=copy-link&dl_branch=1
※Spotify

カタログ番号:UCCP7062
1986年9月 ベルリンでの録音

 前期ロマン派:シューマン・リスト・ショパンらの協奏曲とは構造そのものが違い、『ピアノ入り交響曲』といった大規模な構成になっている一方で、ブラームス20代前半の作品ということもあり、後年の交響曲で見られる鉄壁で隙の無いオーケストレーションにまでは昇華しきっていない。オーケストラ・ソリストともに表現力を試される楽曲だと思う。
 良い演奏で聴いている時には晩年の作品の第2番に負けないぐらいの傑作に思えてくる。アバド&ブレンデル&ベルリン・フィルの演奏は、間違いなくこの曲の傑作性をえぐりだしている名演だと思う。
 映画やTVドラマで、脚本にいまいちまとまりが欠けるところがあっても役者が揃えば名作になる、というのにも似ている。

 もう30年以上前になるが、同じオケ・ソリスト・指揮者で実演で聴いているのだが、その時の印象は、第1楽章のオーケストラからして轟音が鳴り響き、それに対峙するブレンデルの演奏も、まるでハンマーを振り下ろすがごとく迫力に圧倒された。なるほど、だからハンマークラヴィーアという名称なのが納得がいくような印象だった。
 しかし、こうして今聴いてみると、ブレンデルの円熟の極みとも言えるような、特に第2楽章での心に染み入るような繊細な音が印象に残る。
 ベルリン・フィルの音はやはり豪華絢爛で雄弁、ソロ楽器がため息が出るほど上手い。この音に対して互角以上に対峙していけるピアニストは、このブレンデル以外には、なかなか居なかっただろう。

2021年8月13日金曜日

ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 カーラー(Vn)&インキネン(Co)&ボーンマス響

ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ヴァイオリン:イリヤ・カーラー
指揮:ピエタリ・インキネン
ボーンマス交響楽団


https://open.spotify.com/track/1uMaD9gnv58LYgBP9n8hXe?si=4unDLhCwRhWA1ZrBiUWVDg&utm_source=copy-link&dl_branch=1

※Spotify

カタログ番号:8.570321
録音: 12-13 June 2007, Concert Hall, Lighthouse, Poole, UK

 世界七不思議というものがあるが、クラシック音楽世界七不思議があるとしたら、その一つは「ヴァイオリニストのイリヤ・カーラーが、なぜもっと評価されないのか」になると思う。僕は21世紀最高のヴァイオリニストの一人、といっても言い過ぎではないと思うのだが。
 カーラーのヴァイオリンは、まず、その音色が素晴らしい。独特の輝きとコクの深さが感じられ、聴いていて愉悦を感じるような魅力溢れる音。これほどの音が出せる現役のヴァイオリニストは、デュメイぐらいだろう。
 演奏もテクニックはさることながら、歌いに歌う。細部にまで丁寧に繊細に奏で、かつ強奏する場面ではまことに力強い。全方位に素晴らしいヴァイオリニストだと思う。これほどの音楽性を持ったヴァイオリニストはそうは居ない。今世紀最高のヴァイオリニストの一人なのは間違いない。ナクソス・レーベルもメジャーと言えばメジャーなのだが、もっとこう、例えばドレスデン・シュターツカペレを従えてグラモフォンで録音したり、あるいはロイヤル・コンセルトヘボウ管やサンクトペテルブルグ管と世界ツアーをするようなレベルのヴァイオリニストだと思うのだが、私が生演奏で聴いたのは、実力的にはとても一流とは言えない(二流もあやしい)ベルリン・シンフォニカーだった。

 僕のようにカーラーの処遇を不思議に思っている方は多いようで、こんなブログも拝見。なるほど、指導者としてのキャリアを優先しているのだな。しかし、それにしても・・・である。
 このプレイリスト・ブログにはイリヤ・カーラーの素晴らしい録音群も加えていきたいと思っている。
 カーラーの録音音源は、ロシアでの録音は音質がイマイチなものもあるが、このイギリスでの録音は本当に素晴らしい。ハイレゾ企画ではないのに、ハイレゾのような緻密で奥行きのある音が魅力。

2021年8月6日金曜日

ブラームス/交響曲第2番 ラトル&ベルリン・フィル

ブラームス/交響曲第2番
サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


https://open.spotify.com/track/21g3oksSYHlsqP44aHdoH2?si=6QDyH9kkTkGXPhBO-Q1SZw&utm_source=copy-link&dl_branch=1

※Spotofy

カタログ番号:WPGS50018

2008年11月 ベルリン・フィルハーモニーでのライブ録音

 カラヤン時代の絵の具を何層にも重ねた油絵のような濃厚なブラームスではないが、ラトルのイメージからすると思ったより重厚で、一聴した印象ではオーソドックスな演奏であり、ベルリン・フィルのブラームスのDNAを強く感じる。かといって伝統の音に引きずられていることもなく、ラトル氏の個性が随所に見られる。やっぱりディテールは細かいなあ(チェロバスの響きの芸の細かさといったら・・・)と思うけれど、全体としては音楽が自然に流れる感じ(ベルリン・フィルに伝統的な演奏を求める人にはあざとさを感じるかもしれないが)。この音源のCDにはライヴ演奏のDVDも付いてて、大枠はオーケストラに任せて、細かいニュアンスや表情をラトルが付けていくのがよく解る。
 第3楽章なんて、本当に新鮮!この曲なんて何百人もの巨匠が料理してきたと思うけれど、まだまだやれることがいっぱいあるんだなあ~と感心する。

 ラトルの音楽づくりだけじゃなく、木管・金管の見事な演奏も聴きどころ。

2021年1月15日金曜日

ブラームス/交響曲全集 スウィトナー&ベルリン・シュターツカペレ

 ブラームス/交響曲全集

オトマール・スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ

 スウィトナーの家具職人のような丁寧な作りこみと仕上げ、そして何よりオケの独特の響きにすっかり魅了される。このシュターツカペレ・ベルリンは、木管・金管は不足無いけれど、同じ旧東独の歌劇場オケのドレスデン・シュターツカペレに比べると、弦については一段落ちる感じはする。でも、なかなか他のオケの演奏では聴けない、独特の味がある。特に2,3番が素晴らしすぎる。最近のピリオド奏法で、この味わい深さ、豊穣な音が出せるのだろうか。東ベルリン・イエスキリスト教会での録音で、音もいい。

2020年12月25日金曜日

佐藤晴真 The Senses 〜ブラームス作品集〜

佐藤晴真 The Senses 〜ブラームス作品集〜

 10月にTHE MOSTのコンサートで、初めて佐藤晴真さんの生演奏を聴き、言葉で表現しようのない暖かくて美しい演奏を聴いて、「こんな音がチェロから出るんだ。」とビックリした。
 まさに、「一目惚れ」ならぬ『一聴惚れ』である。

※写真はCDのジャケット

The Senses ブラームス作品集
チェロ:佐藤晴真 ピアノ:大伏啓太

ブラームス/チェロ・ソナタ第2番
 〃 /メロディーが導くように
 〃 /森に覆われた山の上から
 〃 /死、それは涼しい夜
 〃 /子守唄
 〃 /チェロ・ソナタ第1番

https://open.spotify.com/album/6jzkU53ekMACSGDqIO8eov?si=YW9jCe9PSVGKQYcoH9GGTg
※Spotifyへのリンク

 私はコンサート前には出来るだけ予習(楽曲やソリストの音源をあらかじめ)するタイプで、もし、彼がTHE MOSTのコンサートの前に音源を出していたら、予習していただろう。しかし、佐藤さんの演奏を「予習」することなく、しかも、コロナ禍で生演奏から8ヶ月も遠ざかって聴いたものだから、彼のこの美音・麗音を聴いた瞬間の衝撃は忘れられないものになったと思う。

 コロナ禍の影響でレコーディングも延期になり、半年遅れで発売されたようだ。しかし、ライナーノートによると、そんなハプニングはレコーディングに好影響を及ぼしたらしく、活動自粛期間中を挟んだ後の収録では佐藤さんとピアノの大伏さんのコンビネーションが熟成し、コロナ禍以前よりも手応えのある演奏が録れたようだ。

 佐藤さんは、ドイツ音楽の正統的な演奏家の登竜門とされる、ミュンヘン国際コンクールに日本人で初めて優勝。もちろん技術的にも申し分ないのだけれど、若くて圧倒的才能を持つ『俊英』にありがちな尖ったところがなく、風格のある落ち着いた演奏で、奏でる音からは、美しさ・麗しさ・気品にあふれている。

 低音が重厚なのに暖かい「声色」でよく歌うのだ。例年よりも寒いこの冬に、この演奏を聴いていると、地面に暖かさが拡がっていき、聴き手の足元からその暖かさが染み渡ってくるような感覚になる。

 2曲のチェロ・ソナタの演奏も絶品だが、このアルバムの聞き所は、ブラームスの4つの歌曲のチェロ編曲版。チェロが持つ人間の声のような暖かさと、佐藤さんの奏でる歌を存分に堪能できる。

2020年9月22日火曜日

ブラームス/ヴァイオリンソナタ集 グリュミオー

ブラームス/ヴァイオリンソナタ集 アルデュール・グリュミオー



https://pref-okayama.ml.naxos.jp/album/00028944657029
※リンク先は岡山県立図書館利用者としてログインした場合のURL。一般有料阪のNMLは検索欄にコード「 00028944657029 」を入力。
https://open.spotify.com/album/6FqRLd3MrOwk2cE7dceX7x?si=fEoqMextTVqGuKIIW4l68w
 自分にとって、最高のヴァイオリニストはグリュミオーだ。独特のコクのある音と輝かしい美しさ。これはたまらない。