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2023年11月18日土曜日

フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ1,2番 フランク/ヴァイオリン・ソナタ グリュミオー(vn)

フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ第1番・第2番
フランク/ヴァイオリン・ソナタ
アルテュール・グリュミオー(vn)
ポール・クロスリー(Pf)
ジェルジ・シェベック(Pf)

※Spotify
https://open.spotify.com/track/4sFZ6P5BlLUovIgXeJNuYW?si=iCbliGp7QcG7KSHIKvbvgg

※NML(岡山県立図書館)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/album/00028942638426

1977、1978年録音

 まず、音が全然違うよねえ。まるで人間の声のようでもあるし、赤ちゃんの寝かしつけをする母親の子守唄のように、聴き手の心が開かれていく。
 冷静に聴いてみると、絶妙に緩急を使って寄せては返す波のよう。
 現代の日本で活躍するヴァイオリニストでこんな音を出す人がいるだろうか?海外だとやはり弟子筋のデュメイ、山田晃子も良かったなあ。岡フィルにいた高畑さんも同じ系統かもしれない。
 生ではなかなか聴けないが、録音でも聴けることに感謝。

2023年9月30日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第14番〜第16番 ゲヴァントハウスSQ

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲全集から 第14番〜第16番 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

第14番(1997年1月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300149

第15番(1998年2月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300147

第16番(1998年2月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300148

※ナクソス・ミュージックライブラリ(岡山県立図書館のアカウント)

 この14〜16番は、スズケ四重奏団やアルバン・ベルク四重奏団あたりの方が、第一選択肢になるかも知れないが、こうして1番から聴いてみると、ゲヴァントハウスSQの首尾一貫した聴きやすい響きに身を委ねるのもいい。じっくり聴き込んで行こうと思う。

2023年9月23日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第11番〜第13 番、「大フーガ」 ゲヴァントハウスSQ

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲全集から 第11番〜第13番、大フーガ ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

第11番「セリオーソ」(2002年10月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300142

第12番(1996年5月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300143

第13番(1997年11月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300145

「大フーガ」(1997年11月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300146

※ナクソス・ミュージックライブラリ(岡山県立図書館のアカウント)

 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は13番以降はすべて「第九」よりも後の作品。中でも一番好きなのが、13番と大フーガ。ベートーヴェンらしいがっしりした躯体に、付点音符が印象的なモチーフだ自由に飛び回る。第3楽章~第5楽章の穏やかな音楽、とりわけ第5楽章の美しさは筆舌に尽くしがたい。

2023年9月16日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番〜第9番(ラズモフスキー第1番〜第3番)、第10番「ハープ」 ゲヴァントハウスSQ

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲全集から 第7番〜第9番(ラズモフスキー第1番〜第3番)、第10番「ハープ」 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

第7番「ラズモフスキー第1番」(2002年6月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300138

第8番「ラズモフスキー第2番」(2002年2月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300139

第9番「ラズモフスキー第3番」(2002年1月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300141

第10番「ハープ」(2002年2月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300140

※ナクソス・ミュージックライブラリ(岡山県立図書館のアカウント)

 この全集録音の収録時のメンバーは
フランク・ミヒャエル・エルベン(第1ヴァイオリン)
コンラート・ズスケ(第2ヴァイオリン)
フォルカー・メッツ(ヴィオラ)
ユルンヤーコプ・ティム(チェロ)

 目の覚めるような切れ味、とか才気あふれる、というものではなく、角が取れた耳に染み込むような音だが、決して丸い演奏ではない。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロそれぞれの音が立っており、その個性が見事に融合する。全てにおいて高次元の演奏。何よりも、ベートーヴェンの音楽が持つ無垢の美しさと、パッションが迸っており、『これぞベートーヴェンの音』という説得職がある。
 録音の音質も素晴らしい。

2023年9月9日土曜日

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第1番〜第6番 ゲヴァントハウスSQ

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲全集から 第1番〜第 番 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

第1番(2003年6月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/349843

第2番(2003年7月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300133

第3番(2003年4月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300134

第4番(2003年5月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300135

第5番(2003年7月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300136

第6番(2003年8月録音)
https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/8300137

※ナクソス・ミュージックライブラリ(岡山県立図書館のアカウント)

 200年以上の歴史を誇る、現存する世界最古級のカルテット。メンルスゾーンは勿論のこと、シューマンやブラームスとの関わりも深く、最新の研究ではベートーヴェンの弦楽四重奏曲の初演も担ったこともあるという生ける文化財。ベートーヴェンの四重奏曲を腰を据えて聴き込むには最適のカルテット。
 まだ充分に聴き込めていないop.18の6曲からプレイリストへ収録しよう。

2023年7月29日土曜日

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番・第15番 ハーゲンQ

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番・第15番

ハーゲン四重奏団
2005年8月録音

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/album/00028947757054
※NML岡山県立図書館のID

 ハーゲンQの音色の美しさが素晴らしい。そして表現の多彩さ、緻密さで圧倒する。白眉は15番の第2楽章。病的なまでの陰鬱さから真っ白な世界をみるような無垢な美しさまで、その世界に引きずり込まれてしまう。

2023年7月22日土曜日

チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1〜3番、弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」 ボロディン四重奏団

チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1〜3番、
   〃    /弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」

ボロディン四重奏団

※Spotify
https://open.spotify.com/album/3beGuEQ5Zr9wRtRmutXP73?si=_PV4w01rTYi_nujz00bkdA&context=spotify%3Aalbum%3A3beGuEQ5Zr9wRtRmutXP73

1957年3月 ヒューストンでの録音

 古くから親しんできた演奏をぼちぼち収録していきます。
 初期メンバーでの、まさに定石、定番の録音。同時代のロシアのオーケストラ(ムラヴィンスキーやスヴェトラーノフなど)は鋼のアンサンブルで鳴らしているのと対象的、このカルテットはとてもしなやかで叙情的。
 六重奏にはロストロポーヴィチとタラリャンが加入。

2023年3月15日水曜日

ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第8番 樫本大進&リフシッツ

ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第8番 樫本大進&リフシッツ
 


https://open.spotify.com/track/6QNQSFIQNJMto9dEcVIaq0?si=IXaSop6pReaoUSd3pp68Qg&utm_source=copy-link
※Spotify

 ヴァイオリニストとピアニストの才能が高いレベルで拮抗している。骨太で強靭なベートーヴェンの音楽を、聴き手にずっしりとした手応えを感じさせる。激しいリズム、彫りの深い造形、そしてナイーブなまでに美しい旋律。それを二人のベートーヴェンが奏でているよう。
 クロイツェルもいいけど、まずは8番をプレイリストに。

2023年2月4日土曜日

ハーデンベルガー&プレンストン/トランペット&オルガン・スペクタキュラー

ハーデンベルガー&プレストン/トランペット&オルガン・スペクタキュラー

 いわゆるヴィルトゥオーゾと呼ばれる人達は世界中にいるけれども、演奏の技巧よりも「この人にしか出せない音」を持っているかどうかが心のヴィルトゥオーゾだと言える。oboeのシェレンベルガーやHrのドールもがそうだろう。

 岡山フィルのTp首席の小林さんが崇拝していると聴いて聴き始めたハーデンベルガーもその一人だと確信。
 トランペットからこんなに柔らかい音が出るものなのか?!と、これまで聴いたことのないテクスチュアの音色に一気に魅了される。とくにクリアかつブリリアントに響くハイトーンの美しさは特筆に値する。
 体調最悪の時に聴いても心地よく聴ける。そんな一枚。

2022年7月9日土曜日

モーツァルト/クラリネット五重奏曲・ホルン五重奏曲 マイヤー(Cl)・シュナイダー(Hr)

モーツァルト/クラリネット五重奏曲
  〃   /ホルン五重奏曲

クラリネット独奏:ザビーネ・マイヤー
ホルン独奏:ブルーノ・シュナイダー
ウィーン弦楽六重奏団

※spotify

カタログ番号:WPCS23210
1988年4月、5月スタジオ録音

 私のアホ耳には、クラリネットの音はオーボエやフルートに比べると上手い人とそうでない人の区別が付きにくいが、ザビーネ・マイヤーの音はその音色からしてクリアーで、華やか。かといって過度に扇情的にならず、繊細で気品を称えている。
 モーツァルトのソロ楽器は、まるで彼のオペラのように、よく歌う演奏を要求しているが、マイヤーのクラリネットは、透き通るようなソプラノから、味わい深いアルトやテノールまでカバーして歌い上げている。

 カップリングのブルーノ・シュナイダーのホルン五重奏曲も素晴らしく、アルプスの山々が眼前に広がるような演奏。赤穂で聴いた実演での素晴らしい演奏を思い出す。

2022年4月23日土曜日

シューマン/ピアノ五重奏曲 プレスラー&エマーソン四重奏団

シューマン/ピアノ五重奏曲
ピアノ:メナネム・プレスラー
エマーソン四重奏団



カタログ番号:UCCS50069
1993年 ミュンヘンでの録音

https://open.spotify.com/album/09ONZKq7icq9dbCJcctxu3?si=GBuLaXHAROaR_YSXkvA3qg&utm_source=copy-link&dl_branch=1
※Spotify

 現代最高のカルテットの筆頭:エマーソン弦楽四重奏団が2023年に解散するというニュースに接し、手にとった一枚。
 シューマンの魅力は交響曲で言えば第1番、3番のような明るくて力強いものと、第2番・第4番のように鬱蒼とした病的な美しさ、という「躁」と「鬱」の2通りの特徴があるが、この曲は前者の明るくて力強いシューマンが楽しめる。
 最高の室内楽ピアニストに、最高の弦楽四重奏団の組み合わせ。キレキレの演奏なのに、弦の芳醇で華やかな音がシューマンの「躁」状態の表現に絶妙なマッチングを見せる。その弦4丁の音と一体化していくピアノの音。この曲は結構チェロの見せ場が多いが、そのチェロの音も見事。

 ピアノと弦のバランスが絶妙で、内容も非常にわかりやすく、冒頭の第1主題のメロディーさえ頭に入れば、最後までその主題の変化を追っていくだけで楽しめてしまう。

 この録音のような超ハイレベルな室内楽の録音を聴きたあとに、オーケストラの音源を聴くと、まどろっこしい(笑)それぐらい、この演奏の切れ味は爽快。

2022年1月22日土曜日

ドヴォルザーク/ピアノ五重奏曲 (Pf)プレスラー&エマーソンQ

 ドヴォルザーク/ピアノ五重奏曲 (Pf)プレスラー&エマーソンQ



※Spotify
カタログNo:UCCG4193
1993年4月、ニューヨークでの録音

 この曲の軸になっているのはピアノとチェロ。第1楽章や、第2楽章冒頭ののプレスラーのピアノとフィンケルのチェロのニュアンスたっぷりの絡みからして、もうたまらん感じ。
 このめくるめく魅惑のメロディのオンパレードの曲の魅力の全てを回収してくれる。
 やっぱりプレスラーのピアノがいい。いい意味で彼は「ミュージシャン」で、ドヴォルザークの描いたキャンバスの下書きの上に、抜群のセンスで色を着けていく。

 エマーソンQは、色々なアプローチが可能な懐の深いこの作品を、堅牢さ、技巧面、リズム、あるいはロマンティシズム、どの要素も高度にバランスよく纏めているが、何度も聴いていると、どの要素も並外れたパフォーマンスを見せてくれていることがわかる。
一番重視されているのはアンサンブルのテクスチャーで、聴いていて本当に心地よく、彼らの音楽世界にどっぷりと漬かってしまう。
 聴き終わったあとには満足感と、「やっぱ、いい曲だなあ」と心底思える演奏。

2021年10月23日土曜日

フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番 カプソン&ダルベルト

フォーレ ヴァイオリン・ソナタ第1番

ヴァイオリン:ルノー・カプソン

ピアノ:ミシェル・ダルベルト

374.jpg 
※Spotify

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/1306861
※NML(岡山県立図書館利用者用のURL)

 ヴァイオリンの物憂げなメロディーとピアノが純化されたハーモニーを奏でていく。言葉で表現しがたい、印象的な美しさを湛えている。ただ、後期の作品のような不安定な和声はこの作品ではそれほど聴こえてこず、正統的なロマン派の雰囲気がある。
 カプソンのヴァイオリンはテクニックも凄いのだが、それよりも音の清廉さが印象に残った。ダルベルトのピアノが少し奥まった感じの録音なのだが、粒の立った品のある音でニュアンスたっぷりにカプソンに付ける。
 それにしても、こういった全集の場合、Spotifyにはどの曲をどの奏者が演奏しているのかの詳しいクレジットが無い。その点、やはりクラシック専用ストリーミングのNMLの情報量は貴重。

2021年7月2日金曜日

プーランク/六重奏曲 レ・ヴァン・フランセ

プーランク/六重奏曲 レ・ヴァン・フランセ


https://open.spotify.com/album/5CEtotdyyrYoVLQ38SKRTC?si=4udwaiJ8SbeyyT5c74Yuiw&utm_source=copy-link&dl_branch=1
※Spotify

 レ・ヴァン・フランセのメンバーは・・・
エマニュエル・パユ(フルート)
フランソワ・ルルー(オーボエ)
ポール・メイエ(クラリネット)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)
ジルベール・オダン(ファゴット)
エリック・ル・サージュ(ピアノ)

 とまあ、メンバーを見るだけで目もくらむような陣容。管楽アンサンブル界では、アンサンブル・ウィーン=ベルリンと人気・実力ともに双璧を成す。

 アンサンブル・W=Bかアポロン的な均整の取れた堂々としたアンサンブルを聴かせるなら、このレ・ヴァン・フランセはオルフェウス的な、蠱惑的なアンサンブルを聴かせる。
 このピアノと木管の六重奏ばかり集めたアルバムにはモーツァルトやベートーヴェンの五重奏曲もあるか、レ・ヴァン・フランセの特徴が一番出ているのが、このプーランクの六重奏曲だと思う。

 流行りの表現を使うと、「控えめに言って、最高!!」。強奏する場面でも柔らかさを失わず、弱音の場面の美しさや香り立つようなニュアンスの豊かさにクラクラしてしまう。ル・サージュのピアノが絶妙な味付けを施していて、一人ひとりが個性的な音を持っているこのアンサブルを繋いでいるのは、このル・サージュのピアノだろうと思う。

2021年6月11日金曜日

ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 ファウスト&メルニコフ

 ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」

ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ


https://open.spotify.com/album/69QcG2rXHWtFF7Up3ki3Ng?si=PvK6p9ouSfOVqUdE1c1Mdw&utm_source=copy-link

※Spotify

カタログ番号:HMC902025.27

 何年か前に、このデュオの来日公演があり、聴かれた方の感想が絶賛の嵐だったので、聴いてみると・・・、やっぱりこれは凄いや。 
 ペダルをあまり使わず、シュッとした輪郭のメルニコフのピアノに、こちらもヴィヴラート抑えめで、激烈かつキレキレの演奏を展開するイザベル。この演奏の切れ味は日本刀の名刀を想像させる。愛でて感動するところも共通する。音楽に曖昧なところが無い。これだけ強いアクセントをつけながら、両者とも音色が濁らない。
 そして、エネルギーが凄い。イザベルは女性ヴァイオリニストの演奏の中でも随一じゃないだろうか。あのしなやかな体躯から、どうやってこんな音を出せるのか。

 今のところ、数多あるクロイツェル・ソナタの演奏の中で随一の存在になっている。

2021年6月4日金曜日

モーツァルト/弦楽四重奏曲第19番「不協和音」ほか キアロスクーロQ

モーツァルト/弦楽四重奏曲第19番「不協和音」、第13番

キアロスクーロQ


※Spotify
 キアロスクーロ(Chiaroscuro)とは、美術用語で明暗とか陰影の意味らしい。このカルテットのメンバーは
 アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
 パブロ・エルナン・ベネディ(ヴァイオリン)
 エミリエ・ヘーンルント(ヴィオラ)
 クレール・ティリオン(チェロ)
 僕はイブラギモヴァ目当てで聴くようになった。
 一曲目が19番「不協和音」の序奏から、現代音楽のような響きに仰天した。調和ではなく何かが崩壊していくような不安を感じさせ、「これはいったいどんな世界に連れて行かれるか」と不安になった。自分が聴いた中で一番、不協和音を最も強調していたクイケン四重奏団よりも尖っている。
 序奏が終わると一転、研ぎ澄まされたピュアトーンで紡ぎ出されるモーツァルトは、本当に新鮮。基本はピリオド奏法のアプローチだが、ふくよかさも兼ね備えている。
 このまじりっ気のない音は一度聴くと癖になってしまう。


2021年4月28日水曜日

モーツァルト/オーボエ四重奏曲 シェレンベルガーほか

 モーツァルト/オーボエ四重奏曲 K.370

オーボエ:ハンスイェルク・シェレンベルガー

ヴァイオリン:ダニエル・ギグルベルガー

ヴィオラ:ハリオルフ・シュリヒティヒ

チェロ:ウェン=シン・ヤン



https://open.spotify.com/track/45CvGFnrISJ4uZnjxU2AoP?si=rKfZq_zrTLClCeCGNXXpXg&utm_source=copy-link

※Spotify

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/work/3487201

※NML(岡山県立図書館利用者登録者向けURL)

 既に当ブログではベルリン・フィル時代のシェレンベルガーの若い時の録音を取り上げているが、その40年前の録音がカラフルで押し出しの強い演奏なのに対し、この録音のなんと滋味あふれるものであることか。

 この曲も、カップリングのハイドンも生演奏で聴いているが、その時は美しくも芳醇なオーボエの音に圧倒されたが、40年前のシェレンベルガー若かりし時の録音と聴き比べると、ピッチをひくく取っており、シェレンベルガー特有のの華のあるオーボエの音を保ちつつ。積み重ねた年輪を感じさせるようなじわじわとした暖かさが感じられる。

 自分は、この演奏を生で聴いてんよなあ・・・という幸せにも包まれる録音。

2021年4月9日金曜日

フランク ヴァイオリン・ソナタ デュメイ&ピリス

フランク/ヴァイオリン・ソナタ

ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ

ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

※Spotify 
 「珠玉の名曲」という形容がこの曲ほど似合う曲はない。魅力的なメロディーが惜しげもなく投入され、構成は堅牢。クラシック音楽を聴き始めた初期の頃から聴き続けている曲だが、まったく飽きることがない。
 ピリスもデュメイも実演に接する機会に恵まれた。とりわけデュメイはこのフランクのソナタを聴くことが出来た(伴奏はバネッサ・ワーグナー)。あの時の輝きに満ちた音の美しさ、第2楽章での息もできぬほどの迫力は未だに耳から離れない。
 この録音も、どっしりとした中にロマンに溢れた演奏。あまりの凝縮された世界にどんどん引き込まれていく。伴奏のピリスも神業のような繊細さと大胆さで、このヴァイオリンの巨人とのやり取りを濃密に展開していく。録音も素晴らしい。一生聴いていくであろう名演。カップリングのドビュッシー・ラヴェルも素晴らしい。

2021年4月2日金曜日

ドビュッシー・ラヴェル・ディテュユー/弦楽四重奏曲 アルカントQ

ドビュッシー/弦楽四重奏曲

ディテュユー/弦楽四重奏曲『夜はかくのごとし』

ラヴェル/弦楽四重奏曲

アルカント・カルテット



https://open.spotify.com/track/1nfSkmdqtEYJxGhceog3qZ?si=RGQcNDkaRzuvSnEJkdpQiA
※Spotify

 我が家に4K対応の40型のテレビが来て錦織圭の出ているテニスの試合をみたとき、テニスボールがハッキリと追えるクリアな映像に驚いた。そして、それまで不満なく見ていた通常のテレビを見ると、ボールなどの動くものがぼやけていて「もう、これには戻れないな」と感じたものだ。
 弦楽四重奏や室内楽の世界も、演奏上の進化が著しくて、その代表的な存在がアルカントQだと思う。このフランスの弦楽四重奏曲をアルカントQで聴いてしまうと、アルカント以前のどの名盤と言われる演奏も、明晰さやアンサンブルの緊密さ、音の濃密さ、どれをとっても物足りなくなってしまう。

 一度、このカルテットを生演奏で聴いてみたいものだ。

2021年3月6日土曜日

ラフマニノフ/チェロ・ソナタ ハレル&アシュケナージ

ラフマニノフ/チェロ・ソナタト短調

Vc:リン・ハレル

Pf:ウラディーミル・アシュケナージ

https://open.spotify.com/track/1yLIYohi1cf02a8hUppMiO?si=Z9VRw4AAS4auISfOmavAGw

※spotify

 少し前のことになるが、去年(2020年)の4月にリン・ハレルの訃報に接した。その際、彼の音源を聴いていて改めて「いいなあ」と思った演奏。奇しくもアシュケナージも去年に引退を表明し、彼の演奏も生で聴ける機会はもうない。

 1901に作曲されたこの曲は、いかにもラフマニノフらしいメランコリックな旋律が次から次へと押し寄せてくる。ロマン派音楽の黄昏を感じさせる曲で、チェロも心を揺さぶる旋律とテクニックで畳み掛けてくるのだが、ピアノがまた「伴奏」の域にとどまらない。転調に次ぐ転調で切ないメロディーをたたみかけてくるようなところは、ピアノ協奏曲第2番を思わせる。

 ハレルとアシュケナージ、20世紀末を代表する名手の二人のテクニックと類まれなる音楽性がぶつかり合う。「ほえ〜」「はああー」とため息しか出ない演奏。