2023年2月18日土曜日

モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番 (pf)グルダ、アーノンクール&RCO

モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調
ピアノ:フリードリヒ・グルダ
ニコラウス・アーノンクール指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

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 クラシックからジャズまでを股にかけるノンジャンルの天才と、ピリオド奏法のパイオニアの競演は、非常に刺激的。
 まず管弦楽のみでの序奏のはずが、グルダの鼻歌とともにいきなり「ジャン」とピアノの音が聞こえてくる(笑)グルダ自身がオケと一緒に弾きたくなったから弾いたのだろう。でも、モーツァルトがこのアドリブを聴いても微笑んで見守るのではないか。グルダ、アーノンクール、RCOの楽員の音の対話の輪の中にモーツァルトも一緒にいるのではないか?そんな妄想まで抱かせてくれるような、生気にあふれる人間味のある演奏。切なくて美しくて、力強くて、刺激的で・・・とにかく素晴らしいのだ。

 RCOの伴奏はアーノンクールのタクトにしてはノンヴィヴラートも抑えめで聴きやすい。そこにグルダの躍動感ある演奏が見事に融合してる。
 この組み合わせのモーツァルトのコンチェルトをもっと聴きたいのだが、グルダとアーノンクールはその後決裂してしまい、どちらも決して妥協を許さない性格ゆえに、このコンビで2度と録音されることはなかった。一瞬の奇跡の邂逅だったのだろう。

2023年2月11日土曜日

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ヴェンゲーロフ(Vn) バレンボイム&シカゴ響

シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン独奏:マキシム・ヴェンゲーロフ
指揮:ダニエル・バレンボイム
シカゴ交響楽団



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カタログ番号:2564673005
1996年録音

 これぞ漢(おとこ)のロマン。バレンボイムが引き出す、シカゴ響の胸板の厚い筋肉質なサウンドに対峙する。第3楽章でのヴェンゲーロフの圧倒的な力感はシカゴ響のスーパーサウンドをものともせず突き抜けてくる。第2楽章での辛口の美しさも特筆モノ。25年以上前の録音だが、僕が知ったのは最近。以来、何度も聴いている音源。

2023年2月4日土曜日

ハーデンベルガー&プレンストン/トランペット&オルガン・スペクタキュラー

ハーデンベルガー&プレストン/トランペット&オルガン・スペクタキュラー

 いわゆるヴィルトゥオーゾと呼ばれる人達は世界中にいるけれども、演奏の技巧よりも「この人にしか出せない音」を持っているかどうかが心のヴィルトゥオーゾだと言える。oboeのシェレンベルガーやHrのドールもがそうだろう。

 岡山フィルのTp首席の小林さんが崇拝していると聴いて聴き始めたハーデンベルガーもその一人だと確信。
 トランペットからこんなに柔らかい音が出るものなのか?!と、これまで聴いたことのないテクスチュアの音色に一気に魅了される。とくにクリアかつブリリアントに響くハイトーンの美しさは特筆に値する。
 体調最悪の時に聴いても心地よく聴ける。そんな一枚。