2020年11月30日月曜日

シベリウス/交響詩『レンミンカイネンの伝説曲』ほか セーゲルスタム&ヘルシンキ・フィル

シベリウス/交響詩『レンミンカイネンの伝説曲』、交響詩『タピオラ』
レイフ・セーゲルスタム指揮 ヘルシンキ・フィル

※Spotify

※NML(岡山県立図書館利用者IDログイン用)

 オーケストラ曲は「交響曲」と名前がつかない曲はハンデを背負わされている。この『レンミンカイネンの伝説曲』は四楽章からなる堂々たる傑作。シベリウスの7つのナンバー付き交響曲に決してひけを取らないが、知名度や演奏機会もメジャーになりきれていない。
 セーゲルスタムの演奏は、縦の線がビシッと揃っていたり、ヴァンスカのように速い速度でグイグイ引っ張っていったりするわけではないが、音のうねりと深い感情移入に強い共感を覚えてしまう。

2020年11月25日水曜日

芥川也寸志/弦楽のためのトリプティークほか 佐渡裕&トーンキュンストラー管弦楽団

 芥川也寸志/弦楽のためのトリプティークほか

佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団

https://open.spotify.com/track/77Rtub8e4UK0zDDaSjiP06?si=WV0DTWEvQ1qctPpp5v4RzA

※Spotify



 トーンキュンストラー管の音がゴージャスすぎる感じはあるが(笑)、祭ばやしのテンポ感や裏拍のアクセントの付け方は流石に佐渡さんの指揮。日本人の心を掴む演奏。日本のオーケストラ(弦楽アンサンブル)にもっと取り上げて欲しいし、特に我が地元のプロ・オケ、岡フィルもこういう曲をもっと取り上げて欲しいと思う。武満などに比べるとはるかに解りやすいから、聴衆も受け入れやすいと思う。

 チャイコフスキーの弦楽セレナーデなどとカップリング。

2020年11月20日金曜日

シューマン/交響曲全集 ルイージ&ウィーン交響楽団

シューマン/交響曲全集

ファビオ・ルイージ&ウィーン交響楽団 

https://link.tospotify.com/jQfj3Hfnnbb
※Spotify

 シューマンのシンフォニーについてよく言われているのが、鬱蒼としたオーケストレーションをどのように整理して聴かせるか?ということがあるが、ルイージの手にかかれば重心を低く取りながらも颯爽とした音楽に仕上がってしまう。微に入り細に入り作り込んだうえで、ルイージ独特の推進力と歌心が溢れている。重厚な演奏では無いが音楽の骨格・躯体がしっかりしているのでどっしりとした存在感がある。

 レコ芸とか全く読まないから世評がわからないけど、この演奏。数あるシューマン全集の中でも稀有な名演ではないだろうか。
 
サヴァリッシュ&SKDと並ぶ愛聴音源。

2020年11月14日土曜日

チャイコフスキー/マンフレッド交響曲 シャイー&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

チャイコフスキー/マンフレッド交響曲
リッカルド・シャイー指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団


https://open.spotify.com/track/3t1E0tQAFUPm1kD0rs6ZfI?si=y0IoJ37PSSeWu8tFrNxRIg
※Spotify
 この曲と出会ったのは高校時代。ちょうど夜行列車で信州に修学旅行に行った時期で、ベッドでないと眠れないたちだったので、ずっとこの曲を聴いていた。チャイコフスキーの1〜5番は聴き飽きてしまったが(悲愴だけは別)、この曲は飽きること無く偏愛している。
 最初に出会った演奏が、このシャイー/RCO以外だったら、ここまで好きになっていたかどうか。楽曲構成上の欠陥をシャイーの物語の構築力と表現力、そしてRCOサウンドの魅力で超名曲に仕上げている。第1楽章中間部、美しい!チャイコフスキーが作ったメロディーの中で一番美しいと思う。第4楽章、かっちょえー!チャイコフスキーにしては支離滅裂なところに魅力がある。

2020年11月12日木曜日

R.シュトラウス/ドン・ファン、ドン・キホーテほか ルイジ&ドレスデン・シュターツカペレ


R.シュトラウス/ドン・ファン、交響的幻想曲イタリア、ドン・キホーテ ルイジ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ



https://open.spotify.com/track/10jwE1nPNxdv7JKOeC2NBh?si=EOxHFk1ATgyeftcPrlvGWw
※Spotify
 SACDでも持っていてハイレゾ音源で聴くと驚きの解像度。ドレスデン・シュターツカペレのは、かつては『いぶし銀』という表現が使われていて、独特の輝きがあった。このルイージの時代は赤光りする黄金の『レッド・ゴールド』として売っていた。まさに黄金の宮廷サウンドを今の時代に正しく受け継いでいる。ただただ、この音を聴くだけで陶然としてしまう。これは普段聴きのプレイリストに収めておきたい。

2020年11月5日木曜日

ベートーヴェン/七重奏曲、メンデルスゾーン/八重奏曲 ウィーン八重奏団

メンデルスゾーン/八重奏曲

 べートーヴェン/七重奏曲

ウィーン八重奏団

https://open.spotify.com/track/3mtwEX7b7tQvpq90WdC3f3?si=_xt0kNORQxCm7nwNJ2pmRA
※Spotify
 今週火曜日のFM岡山の番組で、アルテゾーロ・クラシカの店長さんが紹介されていた曲。ウィーン室内合奏団の演奏を紹介されていたが、Spotifyには無かったので、昔から馴染みのあるウィーン八重奏団の演奏で。
 ベートーヴェンの七重奏曲はルネスホールでルードヴィ匕・チェンバー・プレイヤーズによる生演奏を聴いたことがある。まだ耳が聞こえていた頃のベートーヴェンの歌心あふれる曲で、独特の気高い和音も楽しめる。メンデルスゾーンの八重奏曲は古今の七重奏曲や八重奏曲といった弦4部+木管というジャンルの最高傑作だろう。金曜日の仕事帰り(←ここ重要!)に車の中で最大音量にして聴くのが最高に気持がいい。僕にとっては下手に気を使うような飲み会に行くよりも、こういう音楽を聴くほうがウィークエンドの開放感に浸れる。

2020年11月1日日曜日

ラヴェル/管弦楽曲集 ハイティンク&ロイヤル・コンセルトヘボウ管

ラヴェル/管弦楽曲集
ベルナルド・ハイティンク指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 切れ味の鋭さ、リズム、なんとも言えないノーブルな空気感。そしてRCOの管楽器が上手い。ラ・ヴァルスやスペイン狂詩曲の打楽器系が炸裂する瞬間はその色彩感に眩暈を起こしそう。
 約50年前の録音だから、ハイティンクがまだ40代の頃。録音もすこぶる良好です。クリュイタンスやミュンシュの演奏も魅力的だけど、録音品質やオーケストラのアンサンブルの精度はこちらの方が上。デュトワやプラッソンも愛聴盤だが、このRCOの音はもっと柔らかさがある。一生聴き続けるであろう愛聴盤。