2021年10月16日土曜日

フランク/交響曲ニ短調 小澤&ボストン響

フランク/交響曲ニ短調
小澤征爾指揮
ボストン交響楽団


カタログNo : UCCG52090
録音時期:1991年11月、12月
録音場所:ボストン、シンフォニー・ホール

https://pref-okayama.ml.naxos.jp/album/00028947957829
※ナクソス・ミュージック・ライブラリー、岡山県立図書館利用者用URL

 この録音をSpotifyで探したが、どうやら収録されていないようで意外。小澤の膨大な録音の中で、「この曲こそ、小澤の録音でなければ!」というものの一つだと思うのだが。
 セザール・フランクはベルギーに生まれてパリで活躍した作曲家ではあるが、ベートーヴェンやワーグナーの影響を強く受け、ラテン系の洗練された旋律と、ドイツ的な重厚さを併せ持つ。ボストン響もミュンシュ以来この曲を得意としているらしく、メロディーはよく歌い、半音進行での曲の雰囲気の移り変わり、そして拍節感の明確な以前の小澤のタクトと相まって、堅牢な見事な演奏だと思う。

 一方で、第1循環主題、弦のトレモロがまるで嗚咽のように心に響き、そしてその後に現れる第2循環との間をつなぐ木管のスタッカート、永遠に晴れることにないと思われていた分厚い曇
天から、金色の光が差し込むような感じなど、ドロドロとした情念と救いの光との対比が心を捉える。今から丁度30年前の録音だが、2010年代の小澤の鬼気迫るような録音群の萌芽が現れているように感じる。
 最終楽章の第1楽章、第2楽章で使われた旋律が再現されて、最後のフィナーレへ向かっていく場面のうねりの持っていき方は、小澤&ボストン響の真骨頂。この曲の録音の第一選択肢としてプレイリストには欠かせない。

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