2021年8月28日土曜日

シベリウス/交響曲第6番 ベルグルンド&ヘルシンキ・フィル

シベリウス/交響曲第6番
指揮:パーヴォ・ベルグルンド
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団


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 夏のシベリウス・ブームがやって来てしまった。
 ハイドン・モーツアルト以来、マーラーに至るまで、大編成化・肥大化することが『進歩』として受け入れられてきた『交響曲』の分野を「シンフォニー」=「完全な協和の響き」という語源の原点に立ち戻って結晶化したような作品。
 この作品をはじめて聞いたのが、このベルグルンド&ヘルシンキ・フィルの演奏で、この演奏がデフォルトとして確立されてしまい、他のどの名盤を聞いてもしっくり来なくなっている。
 指揮者もオーケストラも愛情を込めて演奏している。湖に立ち上る霧、それが晴れるとお花畑が一面に広がり、雲が立ち込めて雷鳴が轟く、そんなヴィジョンが目に浮かんでは消えていく。
 第3楽章での聴いたら忘れない民謡的なメロディーの場面も印象的。凍えるような透明感、透き通るようでいて鮮やかな色彩を見事に表現している。聞き終わると胸にじわりと込み上げるものがあり、余韻に浸ってしまうのだ。

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